夢見る機械じゃいられない

初回は税込980円です

たそがれの朝食

あ、どうも。もれなくついてくるです。早速一週間の間が空きました。記事を寝かせたら良いものができるんじゃないかと思ったんですが、そうでもないどころか一晩経った後の自分の記事を見返したら瀕死の重傷を負いました。もう二度と見ません。

 

タイトルのたそがれの朝食は、フィリップ・K・ディックの短編傑作選、変種第二号に収録されてます。

 

 この本ですね。

そうです。書評をやります。でなきゃアホなんで内容を忘れていくんです。

 

  • 大まかなあらすじ

言ったって短編です。あらすじもクソもあるかって気分ですが、ざっくり書いていきます。

ごく普通の家庭、マクレーン一家が迎えた不可思議な朝。通じないラジオ、灰のような霧、そして終いに現れる謎の兵隊。噛み合わない彼らとの会話をなんとかすり合わせる内、一家の大黒柱のティムは驚愕の事実に気がついた。

こんな感じ。興味が湧いたら是非。

さて、この朝がなんだったのかって、まぁネタバレするとマクレーン一家は家ごと未来に飛ばされる、という体験をします。それはたったの7年後の世界で、しかし信じられないほどに世界は荒廃。なぜなら、ソ連との間に戦争が起こっていたから。

この未来に飛ばされる云々の設定は今からすれば突っ込みどころ満載なので、あんまり触れません。さして重要でもないです。

 

重要なのは、たったの7年先に荒廃した世界が待っていたこと。それは、ある日突然起こったことではなかったということ。最終的に7年前、つまり元の時間に戻ったマクレーン一家が、これから起こる悲劇に何もできないということ。このへんでしょうか。

ガラッと物事が変わってしまう、なんてことは、人ならともかく国ではあり得ないことで、真綿で首を絞めるように、徐々に物事は進んでいくわけです。これは悲劇にも言えますし、きっと良い変化にも言える気はします。灰の霧に見えたたそがれは、7年前にもすでにあった。タイトルのたそがれの朝食は、そういうことでしょう。

 

でもぶっちゃけ、そんなの当たり前の話です。兆候はあっただのなんだの、そんなのはたとえ骨子であろうがどうでもいい。僕が好きだったのは、家族が過去に戻るかを議論するとき。ティムの言った言葉です。

「たしかに、生き残れるさ。生き残って、成長し、おとなになる。だが、どんな種類のおとなだ?(中略)子供らがどんな信念をまなべるというんだ? いったい、どんな価値観を持つようになると思う?

生きてるってことは心臓が動いているってことじゃない。こういう考え、僕は好きです。それを言ったのが親っていうのもいい。

疲れてきたんで今日はもうやめときます。